【レビュー】ロジクール MX Master 3S：マウス界の王様。一度触れたら二度と戻れない「神」操作感の正体

「たかがマウスに1万円以上？」 そう思う人もいるでしょう。私もかつてはそうでした。 しかし、断言します。**「ロジクール MX Master 3S」は、単なるマウスではありません。これは、あなたの手の一部となり、思考のスピードでPCを操作するための「生産性向上デバイス」**です。

クリエイター、プログラマー、そして大量の情報を処理するすべてのビジネスパーソンから絶大な支持を集める「MX Master」シリーズ。 その最新作である「3S」は、前作の完成度をさらに高め、まさに「完成形」と呼ぶにふさわしい仕上がりになっています。 なぜこれほどまでに高くても売れるのか？ その理由を、実際に使い倒して検証しました。

MX Master 3S が「神マウス」と呼ばれる3つの理由

1. 魔法のホイール「MagSpeed 電磁気スクロール」

このマウス最大の特徴にして、最大の魅力。それが**「MagSpeed 電磁気スクロールホイール」**です。 ステンレススチールで削り出された美しいホイールは、適度な重量感があり、指先に吸い付くような感触があります。

しかし、真の凄さはその挙動にあります。 ゆっくり回せば、カチカチとした精密なラチェットモードで、1行ごとのスクロールが可能。 そして、指で弾くように勢いよく回すと、自動的にフリースピンモードに切り替わり、抵抗がゼロになります。

「シューーーーッ」と無音で回り続けるホイール。 これにより、1秒間に1,000行ものスクロールが可能になります。 数千行に及ぶExcelデータ、長いWeb記事、膨大なソースコード。これらを一瞬で最下部まで移動し、また一瞬で戻ってくる。 この「意のままに操れる」感覚は、一度体験すると他のマウスには絶対に戻れません。 物理的な摩擦がないため音も静かで、摩耗もしない。まさに魔法のホイールです。

2. 90%カットされた「静音クリック」

前作「MX Master 3」からの最大の進化点が、クリック音の静音化です。 ロジクールによれば、クリック音を90%カットしたとのこと。

実際にクリックしてみると、「カチッ」ではなく「ポコッ」「トコッ」という、低く心地よい感触。 図書館や静かなオフィス、あるいは家族が寝静まった深夜のリビングでも、周囲に気兼ねなく作業に没頭できます。

静音マウスにありがちな「クリック感がなくて気持ち悪い」ということもありません。 しっかりとしたタクタイル感（クリックした感触）を残しつつ、音だけを消し去っている。 この絶妙なチューニングは、さすがロジクールと言わざるを得ません。 Web会議中にクリックしてもマイクに音が入らないのも、地味ながら大きなメリットです。

3. ガラス面でも使える「8000dpi センサー」

トラッキングセンサーも進化し、最大8000dpiという驚異的な感度に対応しました。 これは、高解像度の4Kモニターや、マルチモニター環境で威力を発揮します。 わずかな手の動きで、カーソルを画面の端から端まで瞬時に移動させることができるため、手首への負担が劇的に減ります。

さらに、「Darkfield」センサー技術により、ガラスのテーブルの上でもマウスパッドなしで動作します。 おしゃれなカフェのガラステーブルで、「マウスが反応しない！」と焦ることはもうありません。 どんな場所でも、どんな素材の上でも、あなたのデスクになります。

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圧倒的なカスタマイズ性と機能美

アプリごとの最適化

専用ソフトウェア「Logi Options+」を使えば、7つのボタンすべてを自由にカスタマイズできます。 しかも、**「アプリごとに」**設定を変えることができます。

• Google Chrome: サイドボタンで「タブ移動」、サムホイールで「タブ切り替え」
• Excel: サイドボタンで「進む/戻る」、サムホイールで「横スクロール」
• Photoshop: サムホイールで「ブラシサイズ変更」
• Zoom: サイドボタンで「マイクミュート / ビデオ停止」

このように、使うアプリに合わせてマウスが自動的に変身します。 ショートカットキーを覚える必要すらなく、指先だけで複雑な操作が完結する。 これが「生産性が爆上がりする」と言われる所以です。

3台のデバイスを瞬時に切り替え

底面のボタンを押すだけで、最大3台のデバイス（PC、Mac、iPadなど）を瞬時に切り替えられます。 さらに「Flow」機能を使えば、WindowsとMacの間を、カーソルを移動させるだけで行き来できます。 それだけでなく、テキストやファイルのコピー＆ペーストまで、OSの壁を越えて行えてしまいます。 複数台のPCを使いこなすプロフェッショナルにとって、これほど便利な機能はありません。

手に馴染むエルゴノミクスデザイン

人間の手の形状に合わせて作られた、傾斜のある独特なフォルム。 手を自然に置いた形にフィットし、手首や腕のねじれを軽減します。 長時間握っていても疲れにくく、腱鞘炎の予防にも効果的です。 表面のラバー素材も質感が良く、汗をかいても滑りにくい。 一日中マウスを握る人にとって、この「疲れにくさ」は健康への投資でもあります。

まとめ：これは「マウス」ではなく「投資」である

16,900円（価格は変動します）という価格は、確かに安くはありません。 しかし、毎日8時間、年間2000時間以上PCに触れる人にとって、マウスは最も長く触れている道具です。

その道具が、

• 1秒のスクロール時間を短縮し
• 手首の疲れを軽減し
• クリック音のストレスを消し去り
• 複雑な操作をワンタッチにする

これによる生産性の向上とストレス軽減効果を考えれば、数ヶ月で元が取れるどころか、お釣りが来るレベルの投資です。

「弘法筆を選ばず」と言いますが、プロフェッショナルこそ、最高の道具を選ぶべきです。 MX Master 3Sは、あなたのデスクワークを「作業」から「クリエイティブな体験」へと変えてくれるでしょう。 迷っているなら、買うべきです。後悔することは、まずありません。